-LongArm Build-

#1

 

TJのロングアームキットというのは、今やいちいち数え切れないほど多種多様のキットが販売されています。
ロアーアームだけ長いもの、前後上下共に長いもの、フロントが3リンク、変則4リンク、4リンクVアーム、5リンク。
リヤは、3リンクAアーム、4リンクVアーム、5リンク等々、組み合わせは様々です。
パーツメーカーによって傾向や指向はありますが、ロングアーム化することでアクスルのトラベル量を大きく、しかしアームの回転角度は小さく、それでいてトラクションが掛かり易い、というのを狙った構造なのは共通しています。
 
そんな中、自分で製作してしまう人も少なくなく、検索してみるとTJに限らず結構見つかります。
上の画像もそうして作られたプライベーターのロングアーム車の1台です。CLAYTONというパーツメーカーのロングアームを非常に参考にして(コピーとも言う ^^;)作られています。
フロントはロアーアームにアッパーアームが繋がっている、Rubicon Express社的な3リンク。リヤは4リンクVアームです。
 
完全なプライベーターでなくても、ショップやグループなどで車を作り上げたりする人も居ますし、キットが存在しない車種やムーンバギーなどを製作する人たちも居ますから、そういう人たち向けにFabrication parts としてだったり、Builder用として各種ブラケットやサスペンション用ジョイント、パイプなどが本国アメリカの通販ショップでは扱われていたりもします。

  

自分のTJを今後ロングアーム化するのかどうか、仮にそうするのであればどこのキットを使うのか、そのキットが幾らで、日本までの送料は幾らかかるのか・・・いや、そもそも色んなキットが出ているけどロングアームっていうのはどういう構造のが優れているのか、トラクションが掛かり易いのか、等々を考えていたらなかなか結論が出ないまま時間だけが年単位で過ぎて行ってました。
 
そうやって悩んでいたときに、Four Link Calculatorというのを見つけました。
所謂4リンク計算機です。リヤ4リンクVアームの設計や設定に役立つ、シミュレーションが出来るソフトです。
ホイールベースやトレッド、車重などを打ち込むことで色んな数字を知ることが出来ますし、設定しようとしているアームの位置や長さ(必然的に角度も)などを入力することでも色んな数字を得ることが出来ます。
この計算機はブラウザ上でしか使えないのですが、他にもあるんじゃないか?と探していたら、ダウンロード出来るものを見つけました。
 

これがその作業画面です。

ホイールベースやタイヤ外径、車重などを打ち込み、アームの長さや位置などを指定すると、アンチスクワット率というのが算出されます。
 
ブラウザ上で作業するほうは、横転角度とか前転や後転してしまう角度までもを計算してくれますが、こちらはアンチスクワット率を重視したソフトになっています。

アンチスクワット率や、ロングアームとショートアームの違いなどについては、合ってるのか間違ってるのかは別にして?、blogで色々と書いてますので、フレーム左の blog-Let's Enjoy Jeepin'を覗いてみてください。

また、ロングアーム・・・というよりは、4リンクVアームについての詳しい解説ページを見つけましたので、見てみたいかたは英語のページですがコチラをクリックしてみてください。
 
この計算機に数値を入力すれば、5リンクや3リンクAアームであっても、アンチスクワット率というのは計算させて表示することが可能です。
各種キットのロングアームを組み込んだ実車を実測出来れば良いのでしょうが、なかなかそういう訳にはいきません。
それでもこのソフトに大まかな数字だとしても入力して遊んでいると、幾つかのことが分かるようになってきました。
あぁ、このメーカーはこういう傾向があるなぁ・・・とか、このメーカーの構造って、どうなんだろう・・・とか。
 
じゃあ、もし自分で作るとしたらどういう構造と寸法にする?ということで、実車を採寸して理想値を算出し、その理想値を当てはめようとすると車両側にスペースが無いとか、構造的に難しいとか、車高やボディ高が足りないとか、という現実と理想値の狭間で妥協しつつも極力理想値に近づけることが出来た(ような?)気がしたのと、必要となる各種ブラケットやサスペンション用アームジョイントの入手の目処が立ったので、自作してみることにしました。
 

友人に取り寄せてもらった各種ブラケットとCurrie製JohnnyJoint。2009.05.09撮影

いつもは自分で個人輸入するのですが、どうしても欲しい部品を扱っているサイトが海外発送をしてくれなくて困っていたら友人からの助け船が!無事日本へやってきました。
  

本国からは取り寄せない必要な部品の図面を描いて、機械加工の業者へ発注しました。

関係ない図面も混じってますが・・・。   2009.05.21撮影

 
機械加工から仕上がってきた部品たちや、それらの組み合わせなどは次ページに書こうと思います。
 
 
 

#2へつづく・・・